骨盤臓器脱の概要

骨盤臓器脱(POP:pelvic organ prolapse)は、「女性の骨盤内にある膀胱、子宮、膣、直腸などが本来の位置から下垂して膣から脱出してくる疾患¹」です。
脱出している臓器・部位に応じて、「膀胱瘤」「子宮脱」「直腸瘤」などと呼ばれます∗。
※他にも小腸瘤や膣断端脱などがあります。
※図は、下腹部の断面図を簡略化したイメージです。患者様ごとに体内の状態は異なります。

正常な状態

正常状態断面図

骨盤臓器脱の状態

骨盤臓器脱イラスト

自覚症状の例

「膣に何かがはさまった違和感、圧迫感¹」
「ピンポン玉のようなものが触れる²」
「尿が出にくい、尿が近い、尿が漏れる、残尿感がある¹」
「残便感や便意があるのに便が出ないタイプの便秘症¹」
「下腹部が引っ張られる感じ、下腹部痛などの症状¹」
「長時間の歩行・運動の後に悪化しやすい²」
「夕方になると症状が気になってくる²」
「脱出部分が下着にすれて出血する¹」
「症状が進むにつれて外出を控える、旅行やスポーツなども避けるなど日常活動に制約されることが多くなり、QOL(quality of lifeの略。「生活の質」の意)が低下していく¹」

引きこもりがちな女性 トイレで落ち込む女性イラスト
↑歩行困難や尿トラブルで外出するのがおっくうになった。
やりたいことが思うようにできない。
↑脱症状や、排泄トラブルで、精神的に負担を感じている。
自分に自信が持てない。

軽症の骨盤臓器脱であれば、骨盤底筋体操などによって、改善が期待できますが、症状が進んでしまっている場合、根治手段は手術のみといわれています¹。
骨盤臓器の下垂に心当たりのある方は、早めに専門医に相談し、骨盤底筋体操を行うなどの対応をとりましょう。QOLの低下が考えられるようであれば、独りで抱え込まず、早めに専門医に相談して、自分に適した治療を行うことをおすすめします。

骨盤臓器脱かも…、なに科を受診したらいいの?

骨盤臓器脱の専門医がいる、泌尿器科か婦人科に相談しましょう。

排尿にかかわる症状があれば泌尿器科へ、それ以外の場合は婦人科へというのが原則です。

骨盤臓器脱は、ウロギネコロジー(urogynecology)という、泌尿器科(urology)と婦人科(gynecology)の境界分野の病気です。
そのため、骨盤臓器脱の専門医がいるのは、病院によって、泌尿器科であったり、婦人科であったりとバラバラです。病院によっては、女性泌尿器科やウロギネ科がある場合もあります。
通院する前に、病院のホームページや電話で確認してみましょう。

出産経験者の40~50%の方が何らかの骨盤臓器脱症状を抱えている³と言われています。
1人で悩まず、まずは専門医に相談しましょう。

※参照・参考文献
¹2018/3/14閲覧 亀田グループポータル 医療ポータルサイト 「骨盤臓器脱(性器脱)」 http://www.kameda.com/patient/topic/genital/index.html
²2018/8/8閲覧 辻仲病院柏の葉ホームページ 「骨盤臓器脱」 https://www.tsujinaka.or.jp/service/pelvic-organ-prolapse/prolapse/
³東京医科大学病院 産科・婦人科 主任教授 西 洋孝先生講演 第125回東京医科大学病院 市民公開講座 「骨盤臓器脱(POP)の治療」